こんにちは。
2日連続この話題で良いのか迷いましたが、どうしてももう一つお話しさせていただきたいことがあったので、綴らせて下さい。
昨日の記事はこちらです。
その女性にとって、望んでお腹に宿った赤ちゃんだった場合、突然の「繫留流産(お腹の中で赤ちゃんの成長が完全に止まっている状態)」という宣告はあまりにも酷なものですよね。
その事実を知らされた、その場で、掻爬のための手術日の説明を受け、日程を決めましょうと先生から言われたところで、悲しく、戸惑い、自分とお腹の赤ちゃんにとって何が正しいのが分からなく混乱するかもしれません。
実際の私もそうでした。
だからこそ、正直な気持ちを先生にぶつけてみたところ、別の道が開けました。こんな選択肢もあるんだよと提示したく、今回はブログを書いています。
ただこの道は、同じ境遇の女性全てにとって最良の道とは限りませんし、望んでもできない場合もあります。
その点はご承知おきの上、読み進めていただければ幸いです。
ただただ自然に任せたかった…
<妊娠前~6週目まで>
夫婦で望んでいた妊娠でした。
娘が幼稚園に上がり、さあ~第2子を!と考えていたところに、ホルモンバランスの異常(高プロラクチン血症)であることが分かり、投薬治療を開始、7か月間治療を行ったものの完治には至らず、投薬を続けながら、タイミング法で妊活を開始することとなったのです。
ただ、それも何回失敗に終わったか分からないほど回数を重ね、ようやく、授かった子だったのからです。
5週目でいつもの先生のところに伺い、
努力が実ったね!
と先生に言われ、無事赤ちゃんの袋も確認でき、本当に嬉しくて嬉しくて、涙がこぼれそうでした。
その調子で意気揚々と6週目の検診に向かい、今度は袋の中に赤ちゃんが見えるかなあ♪と期待して出かけたところ…、
言われたのは、
赤ちゃんの袋が小さいね。
と。無事、袋の中に赤ちゃんがいることは確認できましたが、心拍は確認できませんでした。
ただ先生の話だと、この段階で小さくても元気に出産に至った例もあるからとも言われ、安堵しつつも、どこか不安が渦巻くまま帰宅しました。
その話を夫にしても、
気にするな!
と言われ、そうだよねとお腹の赤ちゃんを信じることにしたのでした。
<状況が変わった7週目>
少し不安の中受けた7週目の検診で、赤ちゃんもそれを包み込む袋も、あまり成長していないのが素人目にも分かりました。もちろん、心拍も確認できません。
1回妊娠して、娘を出産しているので、全て経験済みなんですけどね。そのときはつわりでいっぱいいっぱいで、毎回どのくらい成長しているかも確認しておらず、「心拍が確認できましたよ!」という先生の言葉すら上の空でした。今考えるともったいなかったなあと思います。感動の瞬間だったのにね。
それでも、私はかたくなに信じていました。このまま元気に出産できると。
でも、その思いとは裏腹に、先生の言葉は残酷なものでした。
この週数でこの大きさは小さすぎるし、残念ながら、先週と比べてほとんど成長していないし、通常なら確認できるはずの心拍も確認できない。
恐らく、お腹の中で成長が止まっている「繫留流産」の状態を言わざるおえない。
と。
そして、看護師さんから先生に1枚に紙が渡され、私の前に出されました。それは、掻爬手術を受ける女性向けの、手術の流れと注意事項が書かれたものでした。正直、私は気が遠くなりそうになり、その文面に目を向けることすらできなかったのです。
先生がその紙に沿って、説明を始めたところで遮りました。
私は先生もご存知の通り、この妊娠を待ち望んでいました。
この子が出たいと思うときまで、手術をせずに「待つ」ということはできなのでしょうか?
私は全然急いでいません!
陣痛や出産経験もあるので、痛みには耐えられます!!!
当然、ダメなんだろう…ダメもとでした。先生は、
良いですよ。
その選択をする人はいまどき珍しいですけどね。
赤ちゃんの袋も赤ちゃん自体も小さいので、2週間以内に出血が始まり、するっと自然に出てくるでしょう。
と。
ダメもとで言って良かったと、ほっとしたのを覚えています。
不安な日々
診断を受けたその日、会社から帰宅した夫に話すと、
そんなはずはない!
病院を変えて、もう一度診てもらおう!!!
と声を荒立て、夫は怒りと悲しみでぐちゃぐちゃになっていました。
その姿を見て私は、ああ~妊娠は女性だけの問題ではないのだな、パートナーの男性にとっても他人事ではないのだと。悲しいことではあるけれど、夫と共鳴し合えたことで少し安堵を感じ、心が少しだけ軽くなった気がしました。
冷静さを取り戻した夫は、パソコンで調べ始め、
流産は珍しいことではなく、誰にでも起こりうることであり、
30代半ばも過ぎると、確率は5人に一人程度になる
という事実を知ると、こう言ったのです。
複数人子供が欲しいと思ったら、
全女性の2~3人に一人は流産を経験することになるんだね…
と。ここでも算数おばけ登場でしたね。
特に確率統計は大好物な分野です。
ただここから、期間的にはほんの10日程度でしたが、精神的には長い長い時間でした。
みんなで戸惑いながらそのときがやってきた
ここからは人によりグロテスクに感じる表現が出てきます。
ご承知おきの上、お読み下さい。
7週目の診察を受けたのは、GWが迫ってきた時期でした。
その診察後から数日が経ったころから、少しづつ出血があり、また止まりを繰り返すようになり、もう、そのときが近づいてきているのだなと感じたのを覚えています。
次の8週目の検診まで頑張ってしがみついてくれるかなと思っていたのも束の間、どんどん出血が多くなり、塊(恐らく、胎盤の一部がはがれ始めていたと思われます。)も見られるようになりました。
夫と、娘の世話のために遠方から実母が来てくれており、両方から
病院行ったら?
と言われ、迷いに迷っていました。
GW中で、いつもの産婦人科はお休みです。馴染みのない休日当番医の先生のところで、いきなり手術になんてなったらどうしよう???という気持ちがあり、動けずにいました。
結局、GW最終日に娘を出産した病院(いつもの産婦人科とは別のところですが、出産やら定期健診で馴染みはありました。)に連絡したところ、
すぐに来てもらえたら診ますよ。
ということだったので、向かいました。
結果、まだ赤ちゃんは子宮内に存在し、頑張ってしがみついててくれていましたのです。
明日いつもの病院で診てもらえるから、それまで頑張れ!と思いつつも、その一方で、結果次第では、そろそろ手術も視野に入れないといけないかなと考え始めていました。
その夕方からのことです。
下腹部の痛みが激しくなり、それも数分おきに痛みの波が襲ってきたのは。これってまさに「陣痛」だなと痛みの波の中で感じていました。
その晩、シャワーを浴びるべきか迷って立ち上がると、
スポンとどこか(恐らく子宮口)が開き、勢いよく出てくるのが分かりました。
これがこの子の望んだタイミングだったかは分かりません…。午前中に検診をしてもらってことで、刺激され、流産がより進んでしまった可能性はありますしね。
その後、午前中と同じ病院に連絡し、入院の準備をして出ました。ふと空を見上げるときれいな満月でした。
やっぱり、あなたも満月に日に出てきたのね。
娘は予定日過ぎの満月の夜、息子は予定日前の満月の夜に産まれています。みんな満月の夜に産まれました。
その後の処置と子宮収縮剤の強烈な痛み
午前中に診察を受けた病院に、その晩、また戻ってきた形となりました。
すでに赤ちゃんは袋ごと全部出ており、子宮口も開いていたので、あとは無麻酔で残った胎盤をかき出してもらい、処置は終わりました。
*子宮内の状況によっては、全身麻酔をかけての手術となってしまう場合もあるそうです。
数日間に渡って、胎盤がちょろちょろ出てきており、更にたったの8週目でありながらも、想像を遥かに超えた量の胎盤が子宮内から出てきました。
ものすごいグロテスクな表現ですみません…。
素直に女性の体ってすごいなと感心しました。
赤ちゃんの成長具体がどうであれ、それを守ろうとこんなにも胎盤を子宮内に蓄え備えるものなのですね。
その後、1週間は安静にすることと、子宮を収縮させる薬を飲むように渡され、入院することなくそのまま帰宅となりました。
この薬、きっとお産を経験して、退院時に子宮の収縮が悪かったら処方される人もいるかなと思いますが、かなりきついですよね。
家に帰ってから飲んだのですが、一晩中脂汗で眠れませんでした。まさに子宮がギューと縮まろうと頑張ってるのでしょうけど、何かに強烈な力で握りつぶされているな感覚で、その痛みで明け方まで悶絶していました。
ただその痛みも、その一晩だけで、あとは激しい痛みに襲われることはありませんでしたし、おおよそ10日程度で出血は完全に止まりました。
結局私の選択は正しかったの?
<手術経験者の話>
その後、私のような自然流産ではなく、掻爬手術をした人の話を聞き機会があったのですが。
彼女いわく、静脈麻酔で完全に寝ている間に、人工的にきれいにしてもらったので、私のような子宮収縮剤で悶絶の痛みを感じるようなことはなかったそうです。
もちろん個人差があるでしょうが、出血も3日程度でなくなったと言っていました。
自然流産よりも、手術を行った方が、早く回復でき、子宮内を早くきれいに整えることができるのかもしれませんね。それに、私のように自然流産を選択しても、場合によっては(胎児の一部が子宮内に残っていたり、胎盤の状態によっては)、最終的に手術になってしまうこともありますしね。
<エコーがない時代はどうしていたの?>
ただ、今のような精巧なエコーで胎内を確認できるまでは、流産を予測することができなかったそうです。実母いわく、私がお腹にいたころは、聴診器のようなもので胎内の赤ちゃんの心音を聞くしか確認しようがなかったそうですからね。
当然、繫留流産を見つけて、手術を行うことなどできず、全て自然流産が起きて初めて、繫留流産していたことに気付いていたのでしょう。
<医療は進んだけど選択に迷う現代>
それに対して、今はものすごいスピードで技術が進化し、お腹の中にいる赤ちゃんの情報がたくさん分かるようになりました。
そのために、事前に危険をキャッチして準備ができるようになったし、妊婦さん側からすると、様々な選択ができるようになったことでしょう。でも、その分、知らなければ迷わすに済んでいた問題に直面することとなり、選択を迫られるようなった(しかも、大抵時間がない状況です。)とも言えます。
お腹の赤ちゃんが大事なのはもちろん、でも、ときに母体を守ることを優先しないといけないこともあり、その狭間で妊婦さんは、益々迷うことも多くなってしまったかもしれませんね。
最後に
私自身は、手術ではなく、自然流産を選んだことに後悔はありません。
ただそれは、馴染みの先生が私の意思をくんでくれたこと(先生によっては手術一択の可能性もあると思われます。)、また年配の先生なので、長年の経験から、この程度の胎児の大きさなら自然に任せて大丈夫だろうという判断ができたということもあります。
*胎児の大きさによっては、手術一択だと言われました。
ただの自己満足という言われればその通りですが、せめて赤ちゃんに出るタイミングを委ねられたことに、私の心が少しだけ軽くなった気がしました。
また、私は娘の出産で陣痛と出産経験があり、ある程度耐性がありますが、初めての妊娠なら恐怖心が先立つかもしません。わざわざ痛い思いをしなくてもというご意見もあるかと思います。
ただ流産は、全妊婦さんの15%に起こることで、珍しいことではありません。
今もし、手術一択しかない言われ、それが心に引っかかっている方がいらしたら、選択できる可能性もあるんだよ!と知るきっかけになっただけでも良いかなと思っています。
今は、全てお医者様の言う通りではなく、選択ができる時代です!
少しでも後悔のない選択ができる女性が増えることを願っています。
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