こんにちは。
私たち40代以降の昭和世代にとっては、「リンス」って身近な存在だった気がしませんか?
しゃれっ気づいた小学校高学年あたりから、私も頻繁に使い始めた記憶があります。テレビCMでも大々的に取り上げられていましたよね。
それからだいぶ時が経ち(30年以上の経ってしまいました…)、気付けば今は全く使っていません。念のため、お店の棚を確認してみましたが、随分、置かれている数も減っってしまったなあという印象です。
そんな昭和の遺産になりつつある「リンス」ですが、その歴史を紐解いてみると、
なぜ、最近リンスを目にする機会が減ったのか?
では、何に取って替わられたのか?
分かってきました。
是非、ご紹介してみたいと思いました。
リンスの歴史を知ると、今のあなたに本当に必要なヘアケア商品か何なのかお分かりになるはずですよ。
一緒に美髪を取り戻してみませんか?
シャンプーとリンスの両方の歴史を知りましょう!
次の章でリンスが誕生した理由をご紹介しますが、リンスはシャンプーと切っても切り離せない存在になので、まずは、シャンプーの歴史について軽く触れたいと思います。
<シャンプーの歴史>
実は、今のような液状のシャンプーができたのは1950年代初頭です。ほんの70年ほどの歴史しかありません。意外ですよね。
それまでは、香油で頭皮をマッサージすることで、清潔さを保っていました。とはいえ、今とは全然清潔さが違いますが…。
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その後、1950年代に液体シャンプーが開発されましたが、その当時は、毎日シャンプーで洗髪するなんてほど遠い状況で、月に1、2回程度でした。
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それが1980年代に週2、3回になり、1990年代になると、おしゃれ女子が毎日シャンプーをするようになり、徐々に広い世代にその習慣が広まり、現代に至っています。
<リンスの歴史>
一方リンスは、液体シャンプーに遅れること約10年、1961年にお湯で薄めて使用するタイプのものが発売されました。
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それから15年ほどの経ち、1975年に現代のクリーム状のリンスが発売されるようになったのです。当時としては画期的で、下準備をする手間なく気軽に使えるようになりました。(クリーム状リンスの歩みと私の年齢が同じだ!どうでも良いですが…。)
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その後1980年代になると、コンディショナーが発売され、リンス市場が少しずつ変化のときを迎えました。そう縮小していきます。
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しかしその一方で、1989年にはリンスインシャンプーが売り出され、より手軽にリンスが取り入れられるようになりました。一時、盛り返したのですね!
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更に時が経ち、1990年代になるとトリートメントが世に出回るようになり、おしゃれ女子たちのヘアケア熱はどんどん高まっていったのです。最後の一撃がトリートメントの出現でした。
以上より、簡単にシャンプーとリンスの歴史がお分かりいただけたところで、次にリンス誕生の理由をご紹介したいと思います。
リンスってどんな目的でうまれたの?基本的な使い方は?
<リンスが誕生した理由とは?>
液体シャンプーが世に出回り始めた頃は、その洗浄成分はアルカリ性の石けんでした。
それを用いて髪の汚れを落とし、水道水ですすぐと、その水道水に含まれているカルシウムやマグネシウムといった金属に石けん成分が反応して、石けんかす(脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムといったスカム(汚物))が出てしまっていたのです。
それらスカムもまたアルカリ性で溶けにくいため、髪にギトギトした脂として残ってしまいます。これでは、せっかく洗髪してのに意味がないですよね。
そこで開発されたのが「リンス」だったのです!
<開発された当初のリンスは?>
最初の開発されたときのリンスは、名ばかりで、レモン汁や酢といったクエン酸水溶液で髪をすすいでいただけでした。
*ちなみに「リンス」とは「すすぐ」ことを意味していますよ。
その仕組みをお話しすると、
アルカリ性のスカムを酸性の水溶液ですすぐことで中和させ、除去していた
のです。当然、手間もかかっていました。
<より手軽なリンスへ>
そこで、より手軽で効果的なものとして、化学的な成分でつくられたリンスが開発され、商品化、市場に出回るようになったというわけですね。
リンスの役割ですが、
・シャンプー後に髪に残ったスカムを除去し、
・髪表面を滑らかにし、
・指通りが良く、
・パサつかない、
・まとまりのある髪にする
ことです。また、
・静電気を防ぐ効果もあり、
・それにより髪表面のキューティクルへのダメージも抑えられます。
ただ、リンスは正しく使わないと、髪に効果がなくなるだけではなく、頭皮に悪影響を与えてしまうのです。
<リンスの基本的な使い方をご紹介!>
そこで最後に、基本的なリンスの使い方についてお話ししたいと思います。
リンスの本来の役割は先にお話しした通り、髪に残ったスカムを取り除き、髪の状態を良くすることなので、頭皮には全く必要ありません。
ですから使用する際は、
・頭皮には付けないこと!
・髪の傷みが出やすい毛先を中心につけること!
・しっかりすすぐこと!
が大切です。
更にリンスは、粘度が高いため、髪に残ってしまいやすいという特徴があります。しっかり丁寧にすすぐくらいでちょうど良いのです。また、頭皮に残っていると、時間が経って酸化し、嫌な臭いや炎症の原因になります。くれぐれも頭皮に付かけないように、もしも付いてしまったら、念入りに落とすようにしましょう!
かつてよくリンスを使っていたころの私は、リンス成分を洗い落とし過ぎず、多少残っているくらいが、髪を指通り良く艶々にしてくれると勘違いしていました。これは、大きな間違いだったのですね。今更ながら気づかせてもらいました。
<今の時代にリンスは必要ない?>
以上がリンスが誕生した理由がなのですが…。
もうお気づきですよね。
リンスは、洗浄成分が石けんのシャンプーと組み合わせるために開発されたのです。
逆を言えば、石けん系のシャンプーを使っていないなら、リンスと使う必要はないのです。今大多数の方は、石けん系のシャンプーをお使いではありませんよね。
これが、店頭からリンスを見かける機会が減ってきた理由なのです。求めている人が減ったなら、店頭にたくさん置く必要はありませんからね。
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リンスに取って替わられたものとは?今後のあなたの髪のために
もちろん今でも、石けん系のシャンプーは存在します。
ただ現在、ドラッグストアや量販店等で売られているシャンプーの多くは、石油由来の界面活性剤を洗浄成分として使用したものです。(安価で大量生産するにはもってこいです。)そのため洗浄成分は非常に強く、頭皮を乾燥させ、髪のダメージや薄毛の原因の一つとも言われています。
ですから敢えて、昔ながらの天然成分を使用しており、かつ洗浄成分が高い石けん系のシャンプーにしている方もいらっしゃるでしょう。その方にはもちろん、リンスは必要です!
が、少数派かと思われます。
現在の流れとしては、シャンプーの変化に合わせて、リンスからコンディショナーに取って替わられようとしています。
そのコンディショナー役割ですが、スカムの除去は必要がないので、主には
・髪の表面をコートし、
・指通りを良くしたり、
・パサつきや絡まり、
・静電気を抑え、
・外的刺激(紫外線など)等から守る
ことです。ただリンスにしろコンディショナーにしろ、髪の表面の保護に留まります。
時代は更に進み、パーマやカラーを施す方が増加し、強い紫外線など外的刺激も合わさって、益々、現代女性の髪はダメージとの戦いになってきました。
そこで開発されたのが、トリートメントなのです。こちらは、
・髪内部にまで成分を浸透させ、
・補修しケアする
ことを目的としています。
*ちなみに、ヘアマスクやヘアパックも役割は同じですよ。(トリートメントを更に高濃度にしたスペシャルケアになります。)
というわけで、その人その人の環境や髪の状態によって、求められるシャンプーにプラスするヘアケア商品が変わってきたのです。
①石けん系シャンプーをお使いなら
リンスと組み合わせます。
②石けん系以外のシャンプーをお使いなら
コンディショナーと組み合わせます。
③パーマやカラーで髪の傷みが気になるなら
シャンプーで洗髪後は、トリートメント(ヘアマスクやヘアパック)と組み合わせます。
④髪の傷みが気になり、更に髪表面をコートしたいなら
シャンプーで洗髪後、まずはトリートメント(ヘアマスクやヘアパック)を行い、最後にコンディショナー(シャンプーの種類によりリンス)を使います。3段階ケアですね。
*注意としては、リンスやコンディショナーは髪の表面をコートしてしまうので、その後にトリートメント(ヘアマスクやヘアパック)を行っても、髪内部に成分が浸透しません。必ず順番を守って下さいね。
CMでおなじみの「魔法のブラシ」!
まとめ
リンスの歴史を紐解いてきました。いかがでしたか?
かつて髪を洗うことは特別なことでした。それが液体シャンプーという画期的な商品が開発されたお陰で、徐々に身近なものになっていき、それと同時に誕生したのが「リンス」です。
更に時代は進み、シャンプーも様変わりし、リンスのお役目は少しずつ終わりを迎えようとしています。その代わりにとコンディショナーが出てきたのですね。
もっと時代は進み、ヘアスタイルの多様化でパーマやカラーは当たり前になってきました。それと同時に髪はよりダメージを受けやすくなったため、今度はトリートメントの出番になったわけです。
是非、あなたがお使いのシャンプーの種別を確認し(石けん系かそれ以外なのか)、あなたが求める美髪に向けて、必要なヘアケア商品を選択し(リンスか、コンディショナーか、トリートメントか)、髪の状態に合わせてそれぞれを組み合わせてみてはいかがでしょうか。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。